2020年09月03日 16:56更新
上越市の一般社団法人土の香工房が障がいがある人の雇用と、農業の担い手不足の解消に貢献しているとして、このほど、県の優良農業経営体表彰で最高賞の県知事賞を初めて受賞した。受賞の喜びを代表理事の早津薫さんに聞いた。
「まだ農業を本格的にはじめて2年目なのにわたしたちがいただいていいのか」と驚きを隠せない早津さん。県知事賞を受賞したのは上越市丸山新田にある一般社団法人土の香工房だ。障害のある人や企業で働くことが難しい人と雇用契約を結び、サポートする事業所として5年前の平成27年に設立された。
ここで働く人たちは当初、早津さんが起業したほかの会社から、農産物の乾燥や製品の瓶詰など加工作業の仕事を受けていた。現在、土の香工房では上越ワーキングネットと連携し、市内10の事業所から苗箱の洗浄や野菜の収穫など農作業の依頼を受けている。
さらに法人として農業に本格参入し、55アールの農地でバジルやハーブ、シソなどを栽培・加工、そして販売までを行っている。
またおととしにはえだまめの加工施設を整備し、ことし3月には店舗も新設した。現在は設立当初の3倍となる15人を雇用している。 早津さんによると「小規模農業者は高齢化が進み機械化されていないところは手作業になり重労働。」となっているそう。そのうえで「自分たちとしても仕事がもらえてありがたい中、助かったと言ってもらえる。利用者も給料がもらえ、張り合いにつながる。もっと広がってほしい」と語った。
新潟県では経営の改善や6次産業化などで優れた実績を残す農業経営体を毎年、表彰している。今年度は新たに農業と福祉の課題に同時に取り組む農福連携の部が設けられた。土の香工房は、地域農業を支える貴重な担い手として障害のある人が働けるよう就労の場をつくっていること、さらに地元の農産物を生かした商品の販売で地域を活性化している点が評価された。
「一般企業で働くことに息苦しさを感じている人がいたら農業の面でも加工の面でも受け付けていきたい」と話した。
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