2020年08月07日 13:51更新
佐渡汽船が小木-直江津航路の高速カーフェリーあかねを売却し、経営改善を目指すとした方針について6日、佐渡汽船の尾﨑弘明社長が上越市議会に参考人として出席し、見通しの甘さを認めたうえで陳謝した。
「多額の支援をいただいて建造した船舶を期待に応えられず6年目にして手放さなくてはいけないことに大変申し訳なく思っている。お詫び申し上げます」と尾﨑社長。
上越市議会の文教経済常任委員会に参考人として出席したのは尾崎社長を含む幹部3人。
佐渡汽船によると、小木-直江津航路の令和元年度の収支は9億4,000万円の赤字となっている。これはあかねの前のカーフェリー「こがね丸」が運行された最終年度、平成26年度の赤字5億円の倍近くとなっている。
尾崎社長は「あかね」導入時に掲げた年間20万人、車両3万6,500台の目標が達成できなかったことなどをあげ「甘く見すぎていた感は否定できない」と話した。さらに収支悪化の一番の要因とされる巨額の修繕費について、船の導入検討時に先行事例の情報が入手できないまま導入に踏み切ったことも明らかにした。
佐渡汽船では、今後あかねからジェットフォイルに変更した場合、赤字を4億円圧縮できると試算している。尾﨑社長は船を変更する方針に理解を求めたうえで次のように話した。
「新潟航路・直江津航路に経営資源を集約し、航路を維持発展させていきたいと進めている。直江津航路はなくてはならない航路」。
また、上越市があかねの建造費として支出した2億5,100万円について、尾崎社長は「返還が求められた場合、基本姿勢としてお返しさせていただく考えでいる。ただこうした経営状況なので、返し方については相談させてほしい」と。
また今後の進め方にいて「県、佐渡市、上越市にこの方向性で進むことに了解が必要。9月には(国に提出する)サービス基準の変更手続きを進めたい。それまでの間に必要なものは丁寧に説明をして、理解を深めて、了解してもらえるよう努力したい」と話した。
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