2020年07月04日 12:04更新
上越市が今年度新たに組織化した「鳥獣被害対策実施隊」が、イノシシによる農作物被害のある市内の集落からの派遣要請を受け、4日に初めて出動した。
今回、「上越市鳥獣被害対策実施隊」の派遣を要請したのは、吉川区の河沢(こうぞう)集落。
「実施隊」は、上越市が鳥獣の捕獲に関して専門的な知識を有する「猟友会」の会員を隊員として任命し、今年度新たに組織された。
この日は、実施隊の隊員と集落の住民など25人が、集落に隣接する山中の2か所にイノシシを捕獲する「はこわな」と呼ばれる檻状の罠を仕掛けた。
上越市によると、昨年度のイノシシによる水稲への被害は、市全体で15.5ヘクタールにおよび、そのうち吉川区の被害は3.5ヘクタールと市内で最も多くなっている。
昨年市内で捕獲されたイノシシは757頭で、水稲のほかにもジャガイモなどの畑が荒らされたり、農道を掘り返して壊してしまうという被害も出ている。
河沢農家組合の岩井千尋組合長は、「これまで電気柵を設置するなどして、入ってこられないよう対策をしてきたが、やはり個体数を減らさないといけない。市に相談したところ、このような制度があるということで、罠を仕掛けて個体数を減らすことができるのではないかと。期待しています。」と話していた。
今回設置した罠は集落の住民が毎日の見回りを行い、イノシシが捕獲された場合は、集落から実施隊へ連絡を取り、隊員がその後の対応をするという。
上越市では今後、他の集落等へも声をかけ要請に応じることにしている。
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