2020年06月23日 04:12更新
上越市の田中産業が社員一丸となって取り組んでいる砂利を採取した山の里山再生が、このほど環境省の事例パンフレットに掲載された。
田中産業の取組みが掲載されたのは環境省が先月発行した「生物多様性民間参画事例集」。田中産業は板倉区山部地区で55年前から砂利や砂を採取してきた。採石場は120haあったが、その内30haを里山に戻そうと植樹をはじめた。
計画は「感謝の森づくり100年計画」と題し社員一丸で進められている。2年前には、その取り組みが評価され環境省の「グッドライフアワード」で最高賞の環境大臣賞を受賞した。今回の掲載は全国的に見ても珍しい事例ということで実現した。
田中産業の坂口光男相談役は「誰にも誇れる森になって市民や地域の人に活用してもらうのが夢」と語った。
植樹は、ケヤキやクヌギをはじめオオヤマザクラやカエデなど約20種類以上を年間1000本以上のペースで植えてきた。その数は8年目の今年までに約2万6,000本にのぼる。植える場所は33度の急こう配を18度まで整備してはじめられた。坂口相談役は「何が適しているか分からないため、混植や密植で多種多様な広葉樹を植えている」と話した。
この他、現地に湧き水を通し生物が住める環境づくりにも力を入れている。ここでは沢をつくったことでカワニナが棲みつき去年はホタルが見られるようになった。田中産業では現在植樹している場所の反対にある斜面でも整備を進めている。
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