2020年06月11日 19:04更新
この冬の少雪で農業用水の不足が心配されることから、上江・中江用水路の水を上流・下流の田んぼで交替で取水する「番水」がきのう10日夕方から始まった。稲に実がつきはじめる出穂期に水不足にならないよう備える。
妙高市と上越市にまたがる上江・中江用水路は、関川の水を約5,600ヘクタールの田んぼに供給している。例年、取水は毎秒13トンほどだが、この冬の記録的な少雪で水量が減っている。
おととい現在の供給量は2割ほど落ちている。このため、関川水系土地改良区は10日夕方から番水を始めた。番水は、用水路を上流と下流に分けて2日ごとに取水するもので、55か所のゲートを開け閉めして水量を調整する。
関川水系土地改良区の倉重嘉之係長は「現段階では上流域の分水ゲートを全閉するまでに至っていない。今後 状況厳しくなれば全閉も想定する」と話す。
番水は、用水路に水を供給する板倉区の発電所で地滑りがあって以来、2年ぶり。今回、取水を2日おきにしたのは、この時の経験が生きている。倉重係長は「1日おきの取水制限だったので、末端まで水が行き届かなかった」と振り返る。
長面でコメ作りをしている小川洋一さん。小川さんの田んぼは25ヘクタールほど、ここでは今月に入ってから稲を植えている。
小川さんは「7・8月が心配。夏場にかけて絶対、水は必要。水を切らされると等級は落ち収量に確実に影響する」と水の大切さを強調する。
田んぼは間もなく水を抜く中干しとなるが、そのあと7月下旬からお盆にかけては、稲が実をつける出穂期を迎えることから、再び水が必要となる。小川さんは「確実に水が供給してもらえるようにして、農家も協力してやりくりしたい」と話した。倉重係長は「番水は、計画では8月末まで」とするが、番水をいつまで続けるかは、これからの梅雨の時期にまとまった雨が降るかどうかによって決めることにしている。
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