2019年03月05日 16:32更新
上越市吉川区に東京からIターン、農作業でもんぺに出会った女性がおしゃれな作業着として、もんぺのブランドを立ち上げ、このほど新潟県の産業デザインコンクールなど2つのコンテストで入賞した。いったい、どんなもんぺなのか。
これが現代によみがえったもんぺ。鮮やかな縞模様が印象的だ。
もんぺを作ったのは、赤木美名子さん。「美しい亀田縞を使っている。縞がまっすぐ、すそまで落ちるパターンにこだわった」 と、もんぺへの愛は尽きない。
赤木さんはもともと大手ファッションメーカーのパタンナーとして東京で活躍した。パタンナーは、デザイナーが描いたデザイン画から型紙を作り、服に仕上げる仕事だ。赤木さんのパタンナー歴は20年に及ぶ。
赤木さんのもんぺは下越地方の伝統織物、亀田縞を生地に使っている。
作業着としての機能性や形の美しさが評価され、「ニイガタIDS(イデス)デザインコンペティション」でIDS賞を受賞した。
赤木さん(最前列の左から2番目)写真提供:にいがた産業創造機構
「まさか賞をもらえるとは思わなかった。ものづくりを応援してくれていると受け止め、美しいものづくりにまい進したい」と驚く。
赤木さんがもんぺと出会ったのは6年前。夫とともに東京から上越市吉川区にIターンしてからだ。米作りなど農作業でもんぺと出会い、すぐに履き心地が気に入った。同時に、物足りなさも感じたという。
自身が作ったもんぺを履いてコメを収穫する赤木さん
パタンナーとしての感性がもんぺを「おしゃれにしたい」「農作業を楽しくしたい」という想いに広がり、赤木さんは去年12月、「もんぺ製作所」を立ち上げた。
赤木さんが作るもんぺは脇に縫い目がある。これは従来のもんぺにはなく、縫い目を作ることでポケットが生まれた。
また、赤木さんは後ろにもポケットを作り、縞をずらしてデザインを楽しめるようにした。
携帯電話や手袋を入れるのに便利
現在、受注生産で市内に住む4人の女性が縫製を担当する。スタッフには山間地で暮らす人、子育て中の人もいて、赤木さんはこうした人たちの副業になればと考えている。
農山村で起業し、女性の雇用の場を生んだ取組みが評価され、赤木さんは「にいがた創業アワード」の優秀賞も受賞、IDSと合わせてダブル受賞になった。
赤木さんは東京から吉川区に移住したからこそ、起業につながったと今後への意欲を話す。
「上越の山間部で暮らしているので、仕事があることが生きる励みになる。自分と同じように子育てをしている女性や技術のある人に縫製をお願いしている。小さな経済だが、山の中に住んでいても生きていくための仕事を作っていきたい」
赤木さんは4月6日(土)~8日(月)まで、上越市本町6丁目の高田小町でもんぺの展示会を開く予定。会場では採寸、受注もするという。
もんぺ製作所のホームページ:https://monpeseisakusho.com/
※ご覧の記事の内容は2019年3月5日(火)JCVニュースLiNKで放送(TV111ch) 初回18:30~
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