2018年07月05日 08:00更新
新潟県が去年公表した新たな津波浸水想定をテーマにした研修会が4日、上越市で開かれ、市の幹部職員ら120人が上越での津波の特徴や対策について専門家の話を聞いた。
研修会は、上越市が職員の危機管理能力を高めるため定期的に開いている。今回のテーマは津波による浸水で、新潟大学准教授卜部厚志さんが講師を務めた。卜部さんは、日本海側で発生する津波は太平洋側に比べ、規模が小さく発生する頻度も低いことを説明。しかし、地震発生からの到達時間は、太平洋側が30分以上なのに対し日本海側は5分程度と短く、いち早く避難することが大切だと訴えた。上越の沖合およそ50㎞にある断層が地震を引き起こした場合、直江津では15分で谷浜では7分で浸水がはじまると予想されている。
一方で卜部さんの研究結果では、この断層の活動は5,000年に一度と見られ、南海トラフ地震とは比較にならないほどの低い頻度であることも説明した。その上で、たとえ頻度が低くともできるところから対策を講じて危機意識を持ち続けるよう求めていた。
上越市防災危機管理部の笠原部長は、「いたずらに恐れることなく、津波の規模や到達時間を把握し対策をとることが大事」と話していた。
上越市では、今後市民を対象にした同様の研修会も開く予定。
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