2017年06月27日 15:07更新
上越市春日山町にある日本料理店「割烹 から松や」が、最新の技術で冷凍した魚「旬冷(しゅんれい)」の試食会を27日、上越市藤巻の一印上越魚市場で開いた。
「旬冷」は急速冷凍させた魚の商品名。水揚げされた魚を、液体アルコールを使ったリキッドフリーザーという冷凍機でマイナス35℃に凍らせる。
水揚げされたばかりの魚を急速に冷凍することで、鮮度を長期間保つことができるのが特徴。一年中新鮮で安心な魚を提供できるようにと「割烹 から松や」が他の料理店や、上越教育大学と協力して、約10年かけて商品化した。今年から本格的に一印上越魚市場で販売している。
から松やの大久保 実さんは「解凍した魚の鮮度は水揚げした日と変わらない。解凍すると熟成が進み生よりもおいしくなる。上越は夏場のお盆と、暮れの忘年会の時に一番魚が捕れない。その時期に旬のものを提供できれば、県外の人も地元の人も、おいしいものを食べてもらえる」と旬冷をPRする。
試食会に参加した人たちは、旬冷を食べておいしさを実感していた。「これから夏になると魚が少なくなる。旬冷が必要になりそう」と話した。
旬冷「タイ」
こちらのタイは、約3分で冷凍できる。今までの冷凍技術では約2年しか鮮度は保てなかったが、この冷凍技術を使えば10年間保つことが出来るという。
魚につくアニサキスやクドアなど寄生虫の問題も、この急速冷凍技術を使えば、短時間で死滅させることができ、食中毒の心配もないことが研究の結果からわかっている。
現在「旬冷」は料理屋や鮮魚店のみに提供しているが、一度急速冷凍すれば、その後は家庭用の冷凍庫でも保存が可能なことから、スーパーへの販売も視野に入れている。
大久保さんは「旬冷を通して、上越のおいしい魚がいつでも食べられるということが、広まっていけば」と期待している。
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