2021年06月10日 18:20更新
戦没者の遺品や戦争にまつわる品を登録する事業が、妙高市内で始まりました。目的は戦争の記憶を風化させないためです。
この事業は戦没者の実家などに残る遺品を見つけ、登録するものです。妙高市遺族会が先月から会員に情報の提供を呼びかけています。
その背景について間島英夫会長は「終戦から75年。戦争を知らない世代が8割になり、遺族も世代交代し風化が心配。会員も80前後。それでも元気ならば今なら残せる」と危機感があったことを明かしてくれました。
呼びかけから1か月。間島さんのもとには20件ほどの情報が寄せられました。さっそく、遺族会では会員を訪ねて遺品などを確かめました。
そのひとつ、出征した人に贈られた日章旗。持ち主は戦死しましたが、戦友が持ち帰り遺族に届けたということです。
また、出征する人が戦地へ赴く直前に両親にあてた手紙の写しには、死を覚悟した別れの言葉がつづられています。
このほかにも戦地の兵隊に日用品を送るための慰問袋や軍服などが確認されました。
遺族会では、こうした遺品をそれぞれ会員の家で保管してもらうとともに、遺品にまつわるエピソードを聞き取り、データベース化することにしています。
データベースは、中学生などに戦争を伝える生きた教材として利用するほか、遺品の数々は、戦争資料展を開いて、役立てたいととしています。
間島会長は「遺品は戦没者の生きた証。この遺品を通じて戦争の記憶を取り戻す。戦死者への恩返しであり、残された遺族の使命だ」と思いを語っていました。
遺品の情報は遺族会の会員にこだわらず、広く募っています。
申し込みは遺族会の事務局がある妙高市社会福祉協議会(0255-72-7660)、または会長の間島英夫さん(0255-72-5486)まで。
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