2020年06月27日 07:05更新
上越市で昨年度虐待を受けた子どもの数は前の年度より82人多い561人で過去5年で最多となった。市では虐待防止のハンドブックを作り保育園や小中学校などに配布することを決めた。
これは26日に開かれた児童虐待への対応を協議する会議で報告された。世帯数でみると265世帯、そのうち虐待が継続しているのが195世帯、新しく確認されたのが70世帯といずれも前の年度より多くなっている。
市では人数が増えた背景について学校や警察、児童相談所など関係機関で虐待に対する意識が高まり早期発見につながっていると見ている。また虐待の要因について最も多かったのが身体的虐待で101件、次いで子どもに食事を与えないネグレクトが90件だった。前の年度でもっとも多かったネグレクトと2番目の身体的虐待が入れ替わった。
虐待者では母親が最も多く全体の58%、父親が33%となっている。虐待の内容については母親がネグレクト、父親は身体的虐待が多いということ。また、警察によると子どもの前で親が配偶者に暴力をふるう、いわゆる面前DVの被害届けが今年1月から5月ですでに60件と昨年の同じ時期より20件多くなっているということ。これは子どもに対する心理的虐待につながる。
市では今後の対策として虐待防止のためのダイジェスト版ハンドブックを作成した。ハンドブックは来月から、順次、市内すべての学校や保育園、幼稚園など関係機関に配布される。
すこやかなくらし包括支援センターの渡辺晶恵所長はハンドブックの活用について「どのように報告すればよいか、何を伝えればよいかを見て、実際に発見したときにすぐ動けるようにしてほしい」と話した。
上越市福祉部の市川均部長は「まず気づいて通報することが早期介入の第一歩。子どもの尊い命を守るため疑いのある時は躊躇せず通報してほしい」と呼び掛けている。
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