2019年09月29日 19:58更新
上越市内の小中学生が作った標本作品展の表彰式が29日、上越科学館で開かれた。
標本作品展は自然に親しみながら理科の基礎を身につけてもらおうと 毎年、上越科学館が企画。
33回目の今回は海藻などを含む「植物」、「昆虫」、そして甲殻類や貝類など「その他」の3つの部門に上越市内の小学校16校から55点、中学校3校から35点の応募があった。作品は現在、上越科学館で展示されている。
このうち29点が入賞し、表彰式が開かれた。
附属中学校1年生の佐藤成仁さんは妙高市の鮫ヶ尾城跡周辺のチョウ類を研究し、最高の科学館賞を受賞した。3年ぶり、2度目の受賞。研究のきっかけは地球環境問題だ。
「自然環境の破壊で昆虫が見られなくなっているということをテレビで知り、研究した。まさか自分が受賞するとは、驚きです」と2度目の受賞を喜んだ。
佐藤さんはことし4月から8月までの合計19日間、鮫ヶ尾城跡周辺でチョウを集めた。その数は59種類に及ぶ。「シジミチョウが小さく、色も似ていて集めるのが大変だった」と、その苦労を振り返る。
研究レポートはA4サイズ20ページ以上に及んだ。その結果、チョウによって住む環境が異なることが分かった。
「それぞれのチョウで好む場所が違う。そのため都市化が進んで自然環境が失われると、いなくなるチョウが増えてしまう」という答えにたどり着いた。
そして「むやみに自然に手を加えると、チョウがいなくなることを知ってほしい」と呼びかけている。佐藤さんは今後、同じ場所で「ガ」の研究に取り組みたいと、意欲を燃やしている。
審査委員長で中学校教員の古澤博之さんは、標本集めは夏休みだけでは季節に限りがあるため、春から秋までの時間をかけることでより深い研究ができるとアドバイスした。
標本作品展は10月6日(日)まで上越科学館で開かれている。
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