2018年05月16日 17:57更新
高田平野の東側を中心に農業用水を十分確保できない状況が続いている。理由は、板倉区山越地区で発生した地すべりの影響だ。こうした中、16日から上江用水で上流と下流にわけて一日おきに取水するいわゆる「番水」が始まった。中江用水でも21日から番水を行うことになっていて、まだ田植えを終えていない農業者からはあせりの声が上がっている。
清里区の農業法人グリーンファーム清里では、約100ヘクタールの水田で、毎年4月末から6月上旬にかけて田植えを行っている。農業用水は上江用水を使ってきた。しかし16日現在、4割ほどの水田で代かきすら終っていない。にもかかわらず、番水が始まってしまった。番水は必要な水を確保できないうちに制限される可能性が高まる。
グリーンファーム清里では、以前から夜中に水田に水を入れるなど水の確保に奔走してきた。保坂社長は「番水始まれば夜中もダメ。打つ手なし」と表情を曇らせていた。
水不足の原因の一つが3月に、板倉区山越地区にある板倉発電所の近くで発生した地滑りだ。従来、発電所からは、上江用水や中江用水に水が供給されていたが、地滑りのあと安全対策のため供給が制限されている。さらに、ことしは雪解けが早くここにきて河川の水量が急激に減っていることも原因に上げられている。
この水不足が長引くと事態はさらに深刻になる。イネの穂ができはじめる出穂期にあたる7月下旬からおよそ1か月間、大量の用水が必要だからだ。
保坂社長は「もし水不足だと収量や品質に直結し経営に影響する。考えても背筋が寒くなる。抜本的な対策をお願いするしかない。」と話していた。
用水を管理する関川水系土地改良区では、発電所の運転再開を一刻も早く望みたいと話している。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.