2018年05月04日 18:48更新
今年で見納め。――上越市清里区 棚田集落で毎年行われてきた“稲文字”が今年で終了することになり、4日最後の田植えが行われた。
棚田の“稲文字”は地域を盛り上げようと棚田の稲文字研究会が16年前から毎年行ってきた。会の武田公夫さんは平成最後の年で、時代が変わるタイミングとなったことからイベントを終了することにしたと話す。武田さんはこの16年について「あっという間だった。」と振り返る。「稲文字は減反政策がきっかけで始めた。余った苗を、使っていない田んぼに植えてきたが、政策が代わったのもイベントが終わるきっかけの一つになった」と話す。
最後の稲文字は「TANADA 米♥(マイラブ)平成 FINAL。」会ではこれまで必ず「米」の文字を入れており、これが一つのメッセージになっている。武田さんは「米はいのちの始まり。米を“まい”と読ませることもあった。今回も“米”と“♥”を入れて、“マイラブ平成”にした。平成は終わってしまうが、平成を愛しているという気持ちを込めた」と今回の文字を選んだ理由を話す。この日は地元住民など約60人が参加。9アールの田んぼにコシヒカリの苗を植えた。
参加した子供たちは泥んこになりながら田植えに取り組んだ。
地元から参加した女性は「やっぱり残念。しょうがないかな」と今回で終わることを惜しんでいた。また、糸魚川市から娘と親子で参加した女性は「(娘の様子を見て)いつもと違って真剣に取り組んでいて、苗がなくなると、次の苗を探していていた。(普段の)手伝いにも生かしてくれれば」と話していた。
投票によって選ばれたベストオブ稲文字は「米はいのち」(平成14年)
この日、過去16作品の中から一番の“ベストオブ稲文字”が発表された。ベストオブ稲文字には第1回、平成14年の作品「米はいのち」が選ばれた。
武田さんによると、今回植えた棚田の稲文字は1か月後には見ごろを迎え、秋の収穫まで楽しめるということ。
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