2024年06月24日 16:19更新
能登半島地震により上越市内にある土蔵や寺などの歴史的建造物が被害を受けました。中には修復方法が分からず、解体されてしまうケースがあるということです。こうした現状を知ってもらい、歴史的建造物の保存や再生につなげるためのフォーラムが22日(土)に上越市で開かれました。
フォーラムを開いたのは市民団体「上越の歴史的建造物と景観を守る会」です。能登半島地震で被害を受けた歴史的建造物の保存や再生を支援しようと、上越市内の建築士磯田一裕さんが中心となり今年3月設立しました。
フォーラムでは市内の被害状況が報告されました。市によりますと、能登半島地震により国の登録有形文化財15件、県や市の指定文化財7件で、土壁が崩れたり柱が傾くなどの被害がありました。
また、文化財には指定されていない土蔵や寺なども被害を受けました。
上越の歴史的建造物と景観を守る会 磯田一裕代表
「見た目の被害状況から壊さないとだめだと思う人が多い。専門家の立場から、修復によって建物の良さを発揮できる方法を検討したい」
修復には多くの時間と費用がかかります。パネルディスカッションでは、被害を受けた頸城区の邸宅「瀧本邸」の瀧本宜弘さんが参加し、補助金がないと保存や再生が難しい現状を紹介しました。
瀧本邸 瀧本宜弘さん
「(瀧本邸の離れ)懐徳亭は国の登録有形文化財に指定されているので、修復の補助金が出る。指定されていない部分(母屋)は自己負担で修理する。どのように修理するか考えなくてはいけない。見に来てもらうのが一番。修理を手伝ってもらったり、身近に感じてもらうのが一番」
一方で、修復の方法がわからず解体されてしまうケースもあります。そのうえで「守る会」では解体するか判断に迷う場合は、市や「守る会」に相談してほしいと呼びかけました。フォーラムにはおよそ50人が参加しました。
上越の歴史的建造物と景観を守る会 磯田一裕代表
「「歴史と文化の伝承」上越市の通年観光計画でも言っている。どのように進めるか「守る会」としても協力したい。」
市によりますと、直江津地区では被害を受けた歴史的建造物の修復方法などを確認する調査が再来月、行なわれる予定です。
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