2021年02月16日 18:36更新

上越市の新年度予算案が16日に発表されました。歳入はコロナ禍で市税が今年度より約10億円減りました。こうした状況の中、感染症の拡大防止や地域経済の支援を柱に、3月補正とあわせた15か月予算を編成し、実質予算規模は927億8000万円あまりとなりました。

村山市長は「市税は3パーセント強減少している。コロナ収束後の経済の回復と、税収・地方財政に大きく影響する」と話しました。

上越市の令和3年度予算案は、一般会計で934億7363万円、今年度より2.0％、18億円ほど増えました。主な理由は、総合体育館の大規模改修工事で普通建設事業費が増えたことや、コロナのワクチン接種で医師・看護師への報償費が加わったためです。また、新型コロナの感染拡大防止や地域経済支援に対応するため、国の補正とあわせた15か月予算として編成し、実質的予算規模は927億8093万円となりました。

そのうち新型コロナ関連の新規事業では、経営が低迷している中小企業への支援金として3億4000万円が盛り込まれました。具体的には、去年11月以降の売上げが3か月連続で50パーセント以上減った場合は、月の平均売上げ規模にあわせて30万円、50万円、100万円の3段階で交付されます。これ以外の減少幅でも、規模に応じた額が交付されます。さらに、月の売上げが10万円以下の事業者に対しては、実額と同額の支援金が交付されます。

村山市長は「今年度は、想定していなかったコロナ禍の蔓延で、コロナをどう乗り切るか、予算を考える時に苦労した。任期3期目のまとめの予算。令和3年度の上越のまちづくりを進めていきたい」と話しました。

このほかの新規事業としては、直江津地区での交流人口の拡大に向け、現代アートをテーマにしたイベントをこの夏実施し、支援金として6800万円を盛り込みました。

また、観光関連企業から職員の派遣を受けて、地域資源を生かした旅行商品などの開発などに572万円が盛り込まれています。

このほか、中山間地域の農業支援では、イノシシなど有害鳥獣の被害防止や出没対策事業を拡充して、1540万円が盛り込まれました。

また、水族博物館うみがたりでイルカが相次いで4頭死んだことをうけて、夏や冬の気温差による飼育環境の改善をはかるため、日除けと防風壁を設置する費用に4400万円を計上しています。

一方、市の貯金にあたる財政調整基金は、この冬の大雪で除雪費などの持ち出しがあったため、今年度末見込みでおよそ88億円と100億円を下回りました。新年度では、さらに2億円を繰り入れするものの、最終的に8億円余りを積み立てし、およそ95億円に回復させる見込みです。