2020年09月17日 15:18更新
上越市は24の第3セクターについて、廃止や民営化などの方向性を示している。そのうち11の第3セクターでは昨年度決算で、3期以上連続の赤字または資本金の半分を超える累積欠損金があることが分かった。
上越市はことし2月、市が25%以上出資する25の第3セクターなどについて、廃止・民営化をふくめた経営健全化の方向性を示した。そのうち株式会社キューピットバレイは今年3月に解散し、新しい会社(スマイルリゾート)に事業が引き継がれた。現在開かれている9月議会では、それぞれの昨年度決算が報告され、11社が3期以上連続の赤字、または債務超過や資本金の半分を超える累積欠損金があることが分かった。
そのなかで最も累積欠損金が大きかったのはよしかわ杜氏の郷。昨年度の純損失が526万円で5期連続の赤字、累積欠損金は8,082万円まで膨らんでいる。同社の代表取締役を兼任する野澤朗副市長はJCVの取材に対し「地元の酒文化や水・米でよいお酒を造りたい。これを3セクで実現した経緯がある。3セクとしては大変厳しいが、町村時代の事業としての継続性は別途評価して考えていくべき」と話している。
この他、くわどり湯ったり村やヨーデル金谷を管理運営するリフレ上越山里振興は純利益が867万円と2期連続の黒字化を達成したものの、累積欠損金は5,730万円と債務超過の状態。またエフエム上越は純利益が58万円と単年度黒字を達成したものの、累積欠損金は3,135万円で債務超過に陥っている。さらに株式会社キューピットバレイをふくめ、温浴施設など7社を束ねていたJ-ホールディングスは当期純損失が503万円と創業以来、7期連続の単年度赤字。累積欠損金は7,585万円にのぼっている。傘下企業を見ると、マリンホテルハマナスを運営する柿崎総合開発は5期連続の単年度赤字。三和ネイチャーリングホテル米本陣を運営する三和振興は債務超過となっている。
こうした状況をふまえ、野澤副市長は各社の今後の経営方針について「廃止という選択肢は『会社の廃止』であって『事業の廃止』ではないと整理したうえで、キューピットバレイのように会社を別組織でやるのであれば、あとは手続きの話。市として心配はしていない。機能をどう維持していくかが本質論。そこはしっかり議論したい」と答えた。
またエフエム上越については、事業譲渡の方向で検討を進めていることが16日に開かれた総務常任委員会で報告された。
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