2020年06月11日 14:39更新

町工場がどんな仕事をしているか知ってもらおうと、上越市の新和メッキ工業が10日、長岡技術科学大学の学生を対象にオンライン講義をおこなった。

昭和36年創業の新和メッキ工業は、メッキを中心としたものづくりに取り組んできた。今回オンライン講義を受けた学生は8人。新型コロナウイルスの影響で大学の講義が再開されていないため、全員が自宅から会議アプリ「ZOOM」を使って受講した。

この日は新和メッキ工業の瀧見直晃専務が講師を務め、はじめにメッキの基本を実験で紹介。学生は「画面で見るのは新鮮だった！」「実験を通して説明されると初心者でも分かりやすい」など話していた。

新和メッキ工業は従業員20人ほどの町工場。瀧見専務は文科系の大学を卒業したが、家業を継ぐために素人からメッキの技術を学んだ。講義では体当たりで経営に取り組んできた経験をもとに、町工場の立ち位置や役割を話した。

講義を終え、学生は「実家も自営業。ただ継ぐのではなく、今までやっていたことから新しいことにチャレンジしないと実家を守れないと改めて感じた」と話していた。

瀧見専務は「実験をやっても手元がしっかり見えるし、オンラインの良い所を感じた。学生と話して自分も勉強することがあったし、明日からの仕事に生かしたい」と手応えを感じていた。

講義の後にはオンライン飲み会が開かれ、学生からは「新型コロナウイルスの影響が落ち着いたら工場を見学したい！」という声も上がったということ。

長岡技術科学大学の南口誠教授は「専門の講師だといきなり化学反応式を書いて難しくなるのでついていけない学生もいる」と話し、瀧見専務が文系出身だから分かりやすかったと講義を評価していた。