2019年12月27日 09:34更新
上越市は路線バスの運行経費について、国からの特例補助金が来年度からなくなることから、減る分を市で補助する方針であることがわかった。
上越市では、路線バスについて、来年度から令和9年度までの運行計画を現在策定中。その中で、運行経費については、これまで国から受けていた特例補助金が来年度からなくなる。その額は約6,000万円。市は昨年度、バスの運行業者に対して約3億6,000万円を補助しているが、今後、国の特例補助金がなくなることで、市の補助を増やす方針。その額は、来年度約4億2,000万円と試算している。
その一方で、令和9年度までには、バス路線の見直しや廃線などで、負担額を4億円以内にとどめたいとしている。路線を見直す背景には、バスの利用者が毎年約4万人減っていることがある。昨年度の輸送人員は、約148万人で10年前に比べ、2割減った。
そうした中、25日に開かれた交通活性化協議会では、来年度からバスの利用度に応じた路線の再編計画が示された。それによると、現在28ある幹線のうち、18路線は現状維持だが、のこりの10路線を減便や廃止にする方針。さらに、36ある支線については、現状維持は9路線にとどまり、18路線で乗り合いタクシーなどへの転換、9路線で廃線またはNPOなどへの運営委託となっている。
ただし、廃止とする路線については、一定期間改善策に取り組む。市では、廃止の目安を1便あたりの利用者数1人としているが、改善策でそれを上回った場合は、運行を延長する方針。
この計画案は、26日開かれた市議会の特別委員会に報告された。
市では年明け1月20日から2月18日までパブリックコメントを募集したうえ、年度内に計画を策定する方針。
加えて25日の協議会では、新潟空港直行ライナーの運行が今年度で廃止されることが報告された。ライナーは、上越と新潟空港間を9人乗りのジャンボタクシーで運行するもの。運行は1日1往復で利用は予約制。平成30年度の利用者数は1,059人で1便あたりの平均が2.7人。その前年の平成29年度が1,221人の利用で、平均が2.8人。
廃止になった理由は、利用者が減っていることやライナー利用者の半数を占めるソウル便が、早朝ダイヤから日中ダイヤに変更され、別の公共交通手段で接続ができるようになったことなど。ライナーを運行する上越市ハイヤー協会では「料金を格安にするなど、利用促進をはかってきたが、改善にはいたらなかった。やむを得ない決断で残念だ」と話している。
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