2020年04月26日 06:00更新
妙高山の伏流水でコメ作りに取り組む妙高市の坂口新田地区が、昨年度の農業農村整備優良地区コンクールで農村振興局長賞を受賞した。
農村振興局長賞を受賞したのは妙高市の坂口新田地区にある農事組合法人「坂口げんき農場」。この農場は、もともと田んぼの排水が不良で1枚あたり8アールと規模が小さく年々耕作放棄が進んでいた。
↑ 整備前の田んぼ
↑ 整備後の田んぼ
危機感が高まるなか地元農家が話し合って坂口げんき農場を立ち上げ、平成25年から用排水路とほ場整備を進めた。その結果、田んぼ1枚あたり20アール以上に拡大。すべての耕作放棄地を解消し大型機械の導入でコメ作りの労働時間が8割以上減るなど、営農環境が劇的に改善された。
現在は農家51戸、農地20ヘクタールほどで「雪の恵み米」というブランド米を栽培し、ハワイなどに輸出するまでに成長。
加工用ブドウで作ったワイン(岩の原葡萄園が協力)
また余剰時間が生まれたことでピーマンやブロッコリーなど園芸作物の栽培、漬物などの加工品づくり、さらにワイン用のブドウの栽培まで多角経営を実現している。今回の受賞では農地の改善と園芸作物による高収益化を図ったことが評価されたという。
坂口げんき農場の後藤正直副代表は「当時はこのまま耕作放棄が進めば坂口新田の農業は無くなっていたと思う。努力してきたことが形になって嬉しい」と話した。
坂口げんき農場では整備を進めたことで高齢者にもやる気がうまれ、地域が前向きになったという。今後は都会の人にも興味をもってもらい移住につなげたいとしている。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.