2017年05月10日 16:22更新
「子どものころ学校で食べたことがある、と言ってもらえるような文化継承のためにも、学校で利用を…」
(「ハローツゥ」羽深社長)
江戸時代から上越地方で食べられてきたサメ文化を後世に伝えていこうと、地元の魚市場が10 日、サメを学校給食に取り入れるよう栄養士に提案した。
上越市では年に3回、学校給食の栄養士が加工食品を扱う業者から食材の提案を受けている。今回提案した8社のうち、魚の卸売りをしている一印上越魚市場と、サメの普及に協力している上越市のスーパー「ハローツゥ」の羽深耕時社長が上越の歴史に深く関わるサメを提案した。
羽深社長は、江戸時代、幕府が貿易のためにサメのフカヒレを必要としていて、頸城地方では多くのサメが水揚げされていたこと。サメは尿を排出しないため、アンモニアが体内に残り、冷蔵庫がなかった当時は魚肉が腐りにくかったこと。さらに、頸城地方ではヒレが切り取られ、残った魚肉が国内でもっとも食べられていたことなどを説明した。
そして「カロリーが低い一方、タンパク質が多い」と話し、サメのフライを試食するよう呼びかけた。
サメはフライなどに調理され年に2回ほど上越市内の学校給食に登場しているが、今回の提案はさらにサメの利用を増やすことで、郷土のサメ文化を伝える狙いがある。
栄養士は安全性、味、栄養、そして価格を確認していた。
男性栄養士は「ふっくらしていて臭みがなく、子どもも食べやすい」。また女性栄養士は「小学校のころ給食で出て食べた。献立に使うようにしている。サメの文化を給食の時間に伝えたい」と話した。
また、羽深社長は「『上越に来るとサメを食べなければ』という雰囲気づくりを、官民あげて取り組むことが大事」と、サメ文化の発信に今後も取り組む考えだ。
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