2020年03月03日 18:58更新

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため休校となった妙高中学校で3日、卒業式が行われた。参列したのは卒業生と保護者だけ。一方、下級生が最後の登校となった2日、急きょ、学校の判断で全校生徒だけの卒業式が挙行され、2回式を行う珍しいケースとなった。

妙高中学校は2日が最後の登校となり、3日の卒業式には、1・2年生は出席できないことになっていた。しかし坂詰浩一校長は、下級生に3年生の卒業する姿を見せてあげたいと、2月28日、市教育委員会から休校措置の説明を受けたあと、「なんとか生徒向けの在校生と卒業生がいる卒業式をさせてあげたい」と自主的に決断。2日午後、在校生だけの卒業式を挙行したという。

2日の卒業式は卒業証書授与から答辞まで、すべて本番同様に行われた。送辞では、代表生徒に数人の生徒が加わるサプライズがあり、一緒に卒業生へ感謝の気持ちを伝えた。

そして3日も、卒業生33人が保護者の前で坂詰校長から卒業証書を受け取った。2日に続いて2度目の「卒業証書授与」となった。

式は、来賓あいさつを2人から1人に減らし、祝電披露を掲示のみにするなど時間を短縮した。また全員がマスク着用など、感染予防したうえ、式に臨んだ。

卒業生代表の望月翔さんは、野球部の部長としてチームをまとめる難しさや自分ができることについて毎日悩んだ中、「周りからの叱咤激励が自分自身とチームをまとめあげた」と感謝の気持ちを述べた。

卒業生は「3年間過ごした仲間と今までの当たり前の日常がなくなると寂しい」「これから入試。ベストを尽くしてみんなとまた会いたい」と話した。

卒業式のあと、生徒は教室に戻り教諭や同級生と別れを惜しんでいた。

そのうち、2年間担任を務めた鈴木崇生教諭は、得意の「瓦割り」を披露した。

瓦には「病気」「嘘」「いじめ」などの厄が書かれている。鈴木教諭は「頑張れよ！お前たち！」と生徒を激励したあと、瓦8枚を真っ二つに叩き割り厄払いした。生徒からは歓声があがった。続けて鈴木教諭は、目に涙を浮かべながら「心に勇気をもってたくましく生きて。よき人生を」と話すと、生徒も涙を流しながら感謝の言葉を伝えた。

生徒は「お世話になった先生、高校で別れる友達と離れるのは寂しい。高校に入ったら自分の意思を持って行動できるようになりたい」と話していた。

坂詰校長は「在校生にも保護者にも、卒業生のリーダーとしての姿を見せることが出来た」と安堵の表情を浮かべた。

妙高市の中学校は、妙高中学校をふくむ3校すべてが3日卒業式を終えた。

※ご覧の記事の内容は2020年3月3日（火）JCVニュースLiNKで放送予定（TV111ch）初回18:30
※プレミアム会員 見逃し視聴（配信期間 3月3日 19:00～3月9日 19:00まで）