2020年01月24日 19:22更新
この冬、例年にない少雪で上越市では、雪室に入れる雪の見通しが立っていない。雪室ならではの野菜保存や、みそ・酒の熟成をどうするのか、関係者は前例のない課題に頭を痛めている。
上越市安塚区。例年、この時期は雪が2mほど積もるが現在、全くない。
安塚区の雪を貯蔵している雪室。
雪と一緒に並んでいるのは野菜、酒、しょうゆなど10品目以上。雪国ならではの特産品づくりに取り組む雪室推進プロジェクトが保存したものだ。
雪室を管理する雪だるま財団の渡辺武敏理事長は「(野菜など)でんぷんが糖分に変わって甘くなる。
酒は雑味がなくなる 需要が高まっている」とその効果を話す。
現在、雪室には前シーズンに使った雪、100トンが残っている。雪室には雪が最大300トン入り、年間を通して室温2~4度ほどを保つことができる。例年この時期になると、新しい雪に入れ替えるが、ことしは少雪のため、このまま残すという。
渡辺理事長は「大寒に降ると期待したが…。2月も暖冬予報で降雪が気になる。山から運ぶ以外 手段はない」と、区内の山から雪を100トンほど運ぶことにしている。
少雪の影響は野菜にも出ている。JAえちご上越が運営する直売所あるるん畑では、例年並ぶはずの雪室・雪下野菜の姿がない。
JAでは10年前から、キャベツ、ニンジン、ハクサイ、ダイコンなどの野菜を、雪の下や雪室に一定期間保存したあと、例年12月下旬ごろから売りだしている。
しかし、これまでのところ、店頭に商品を並べることはできていない。そこで悩ましいのが生産農家だ。
雪下・雪室用の野菜を作るのは、平野部から山間部までの農家など80軒ほど。JAによると先月、雪を待てずにダイコンが収穫されたため、いつも以上に大量のダイコンが売り場に並んだ。当然、値崩れが心配された。農家の中には売れ残りを避けるため、1本あたり通常180円のところ30円値下げしたところもあった。従来通り雪下で保存すれば出荷時期を調整できるが、ことしはそれができなかった。
JAえちご上越、園芸畜産課の亦野潤一さんは「雪下用に、ほ場に残した野菜がある。降雪のめどが立たず、劣化する前に収穫している」と話す。
JAが管理している雪室は4か所あるが、いずれも雪はない。今年に限らず今後も暖冬が続いた場合に備え、関係者は知恵を絞っている。
「雪室に雪が入れられないので、雪が降り次第、雪室に雪を入れたい。今後は安定して雪下・雪室野菜を提供・作付けできるか、すぐに検討したい」と新たな課題に挑む。
※ご覧の記事の内容は2020年1月24日(金)JCVニュースLiNKで放送予定(TV111ch)初回18:30
※プレミアム会員 見逃し視聴(配信期間 1月24日 19:00~1月30日 19:00まで)
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